この夏「浦の星女学院 スクールアイドル"Aqours"」に出会って見ませんか?というお話。
みなさんこんばんは。こんにちは。おはようございます。
れおと申します。
いよいよ6月も終わり、7月。
今年も夏到来!暑くてしんどい日々が続きますが熱中症には気をつけたいものです。
さてさて。「夏と言えば」みなさんはなにを想像しますか?
青い空!綺麗な海!キラキラと弾ける笑顔!そして学校の統廃合!
…統廃合?となった方も多いでしょう。今回はそんなアイドルアニメのお話。
-ラブライブ!サンシャイン!! 浦の星女学院 スクールアイドル"Aqours" -
「0を1に」そして「夢を夢で終わらせなかった」9人の女の子達のお話。
今や超がつくほどの人気コンテンツですが、自分が見たのは数日前。
自分が感じたこととか感想とかを書いていきます。
ちなみに余談ですがちょっと前まで「アクア」って読めませんでした。
セクションが多くてしかも長いので目次を加筆しました。
気になるところを読むのもよし、全部読むのもよしです。
- ★はじまりは"田舎の女子高生"だった。
- ★"普通は最高で最強の才能"というのを教えてくれた。
- ★"瞳"で感じる彼女達の想い。
- ★表現は違う、共通した"助動詞"
- ★憧れが"乖離"する瞬間、人は強くなる。
- ★"らしさ"の確立は"強さ"の確立になる。
- ★夢は見るものじゃない。叶えるもの。
- ★理想論に見せかけた"完璧な筋道"と"現実"
- ★"アイドルだって普通の女子高生だし人間"なんだ。
- ★"これから"と"このまま"
- ★まとめ
★はじまりは"田舎の女子高生"だった。
内浦湾が目の前に広がる海が綺麗な田舎町です。
そんな内浦に住む高校2年生、高海千歌ちゃんがこの作品の中心。
5年ほど前、ラブライブ!(No.1スクールアイドルを決める大会)で優勝。
そして音ノ木坂学院閉校の危機を救って見せた9人組、μ'sに憧れる女の子です。
天性の歌声や身体能力、センスがあるわけでもない「田舎にいる普通の女子高生」が
この物語の中心。結構アニメの中でも"普通"とか"特徴がない"みたいな表現は出てきます。
そんな特筆すべき事もあまりない女の子が中心になれたんだろう?という疑問はずっと浮かんでました。
ただ、お話が進む中でその答えはゆっくりと見えてきます。
★"普通は最高で最強の才能"というのを教えてくれた。
みなさんが色々な人と会話をする。もっと状況を絞ると
「自分、もしくは会話相手ではない誰かの話」をする時、こういう会話をしたことはありませんか?
Bさん「うーん、普通の人って感じする」
Aさん「なるほどね」
特に長所が無い(浮かばない)時によく使うやつ。他には「いい人だよ」とかが多いかな。
でも裏を返せば"普通”ってなんなんだろう?というお話。
普通ってなに?という質問に正解はないと思います。個人的に正解に近いかなというのは
「極端な長所が無く、なんでもそこそこやる人」って感じ。実際に高海千歌ちゃんもそんな感じです。
なかなか自分のスポットにハマるモノに出会えず、中途半端な結果で終わってすぐに投げ出してしまう。
新しいことを始めたくなっても過去の投げ出してしまったことを思い出して億劫になってしまう。
いや~本当にこういうの人間臭いですよね。それって表面上で見ると没個性的な人間です。
でもこの作品ってその没個性を逆手に取ったんですよ。これが本当にすごかった。
高海千歌ちゃん1人から始まったスクールアイドル部。8人の女の子を言わば「仲間にしていく」わけですが、
「普通の私だってできるんだよ。絶対にできる」という意志を込めて勧誘している印象があります。
天才型のスーパー女子だと"どうせあなただからできるんだよ"という嫉妬心が入り乱れる事が多い。
彼女は人を誘う、一緒にアイドルをするというポイントに対してかなりの責任感を持っています。
夜遅くまで練習するシーン。代表的なのは2期、過去に3年生組が失敗した
フォーメーションを成し遂げるシーンですね。
没個性がだからこそできる努力、そしてその姿を見る8人。そこから生まれるのは大きな説得力です。
もうこの時点では普通とは言えないかもしれない。でも、この作品で彼女は普通を貫き通した。
これが我々に提示した普通なのであれば、「普通は最高で最強の才能」ではないだろうか。
という事を教えてくれました。憧れや夢に真っ直ぐな瞳ってかっこいいし魅力的なんですよね。
★"瞳"で感じる彼女達の想い。
アニメって色々な感情表現や場面の表現を用いた技法ってあると思うんです。
わかりやすいところで言うと雨や嵐と言った天候を使った表現や照明を使って明るさ暗さを表現するやつ。
意識してなくてもそこを考えてみると結構おもしろいのでおすすめです。
この作品でもそういった表現はたくさんありますが、特にわかりやすいのが"瞳"なんですよね。
嬉しい時、希望が見えた時はものすごいキラキラした瞳になります。
こんな感じ。
逆に悲しい時、何かに追い縋る時はキラキラした瞳が少し濁ります。
こんな感じ。
必ず彼女たちの心境に変化が生まれるシーンには彼女たちの「瞳」がどこかに存在しています。
黒澤ルビィとか国木田花丸とか中々自分の気持ちを言えない子で判断するとわかりやすいかも。
高海千歌も感情表現が豊かなので割と判断しやすいかもしれませんね。
μ'sの話をする時、はじめての大舞台に上がる時、決意を新たにした時。友達に不必要にされたと
感じてしまった時。彼女たちの心は全て瞳の中に秘められています。
★表現は違う、共通した"助動詞"
次はこちらの話題。○○したい!って欲求、誰でもあると思います。
このアニメで言うと「スクールアイドルになりたい!」とか「μ'sみたいにラブライブ!で優勝したい!」
こういうやつ。Aqoursの人たちは明確な自発的な欲求を持っています。1人を除いて。
この話を絶対に書きたいなって思ったのは1期4話黒澤ルビィと国木田花丸の加入回と
2期9話。函館でSaint Aqours Snowが結成された話です。
2つのお話で共通して主人公になるキャラクターがいます。
生徒会長・黒澤ダイヤを姉に持ち、スクールアイドルが大好きな人見知りの女の子。
彼女が「花丸とアイドルをしたい」「お姉ちゃんに気持ちを伝えたい」という大きな意思。
小さな身体からできた大きなココロ。彼女はそのココロを燃料に急成長を遂げていきました。
それってちっぽけなことかもしれない。でも彼女からすれば大きな決心でした。
この黒澤ルビィが表現した欲求。全員が持つ欲求で当てはめると…しっくりくると思います。
ここで冒頭に書いた除かれた1人。これは誰なのか。
この子、明確な自分主体の欲求はないんですよね。だから見ていて終始不気味な存在ではありました。
強いて言うならば「3年生組を守りたい」というところに繋がってくると思うんですが、それって
自分に対してではなく2人に対しての欲求という印象がありました。自己犠牲精神が強すぎるという感じ。
最後の最後に初めて「優勝したい、楽しみたい!」という言葉が聞けた時は嬉しかったな…。
全員が違った欲求を持ち、その欲求が自身と他者の融合によって昇華されていく。
その繰り返しを行い続けることでAqoursの根幹部分がどんどん太くなっていったんじゃないかな。
★憧れが"乖離"する瞬間、人は強くなる。
憧れって何につけても大事なことだと思うんですよね。憧れのアイドル、憧れの芸能人。
でも憧れって"憧れ"で止まってしまうんですよね。自分を前に進ませる芯にはなるけど核にはならない。
どういうこと?って思う人もいるかもしれません。だって憧れは手の届かないところにあるから。
高海千歌は前述の通りμ'sに強い憧れを持っています。μ'sになりたい、μ'sのように輝きたい。
μ'sみたいに奇跡を起こしたい!でもそれって憧れだし結局μ'sの受け売りにしかすぎない。
最初の目標として設定するのは憧れだけで十分なんですよ。そんな無駄に綺麗事抜かす初期設定なんて
長続きしないしね。でも最初の目標ってどこかで必ず頭打ちが発生します。
この作品でも明確にそのシーンがあります。1期12話、初めてAqoursが音ノ木坂学院に訪れる回です。
初めての東京でのフェスに出演するも得票数はゼロ。彼女たちは全国レベルに打ちのめされてしまいます。
その後、彼女達はμ'sが生まれた場所とμ'sが終わった場所を訪れます。
そこで高海千歌が言ったこの台詞。
追いかけちゃダメなんだよ。
μ’sも、ラブライブも、輝きも。
μ’sみたいに輝くってことは、μ’sの背中を追いかけることじゃない。
私は…0を1にしたい!
あの時のままで、終わりたくない。
これ。初めて彼女の憧れが憧れと夢に乖離しました。
μ'sはずっとずっと彼女の憧れ。でも、夢を叶えるには憧れになっちゃいけない。
その証拠に彼女は自室にあったポスターを剥がします。
μ'sにはない"Aqoursが作る奇跡"ために…。
★"らしさ"の確立は"強さ"の確立になる。
次はこちらのお話。1期12話で"Aquorsらしさ"が見えてきた彼女たち。
2期はらしさを作って強くなっていくという話が全体的に本筋として感じ取ることができます。
そして彼女たちが見つけた"らしさ”を教えてくれるのが2期10話「シャイニーをさがして」です。
廃校が正式に決まり、"ラブライブ!で優勝して学校を救う"という絶対的な目標を見失った彼女たち。
スクールアイドルを続ける意味を見失い、彼女たちは迷走してしまいます。
ずっとずっと届かないと思っていてもその光に届いてみせると藻掻いた彼女たちからすると
大きな喪失感が生まれているに違いない。個人的には1期最終話、千歌が一筋の光に手を伸ばして届かなかった
あのシーンが"救えない"示唆に繋がっていたのかなと思っています。
そして9人で雨夜のドライブ。この回、構成・演出共に完成されてるんですよね。
星=シャイニーなのはお察しかとは思います。もう少し具体的に言うと
「星=シャイニー=輝き」に繋がっていて、
「雨が降って見えない=簡単に見つからない」となり、
「千歌が見つけてみんなで行く=輝きをみんなで」になってるわけです。
そして眠っている9人を見ながら流れる千歌の声。
「見つかりますように。輝きが。…私達だけの輝きが」
星の数は9個。Aqoursは9つの光で1つになる。
1期12話でμ'sとの決別をした彼女たちが紆余曲折を経てついに自分たちのらしさを見つけました。
自分らしさって絶対に同じモノは生まれないですし、それは必ず強みになっていきます。
その強みを見つけた瞬間、その強みが伸びれば伸びるほど強くなっていく。
自分たちで見つけた輝き。彼女たちらしさがこういうところに現れてますよね。
★夢は見るものじゃない。叶えるもの。
アイカツスターズ!のOP曲ではありません。
でも実際そうだと思ってます。憧れは叶わない。でも夢は叶うって。
彼女たちが最初に持った「ラブライブ!優勝で統廃合を白紙にする」という大きな目標。
理事長、そしてメンバーの健闘も虚しく廃校が決定してしまいました。
前述でも書いた通り彼女たちは自分たちの目標を見失っていました。
そしてその後、彼女たちは気付かされます。
「もう内浦全体を巻き込んでいる」ということに。
自分達がやってきたこと、目指していたこと、成し遂げたこと。
廃校は変わらない。それなら"浦の星女学院の名前を刻んで来て欲しい"という在校生からの願い。
彼女たちの夢は彼女たちの夢じゃなく「浦の星女学院の夢」に変わっていたわけです。
でも夢の渦中にいるAqoursは気づかない。気づけなかった。それは仕方ないと思う。
気づかせてくれた在校生のみんな、そしてその大きすぎる夢を受け入れたAqours。
夢への、奇跡への歯車が一気に噛み合った瞬間で見てる我々も気持ち良いんですよね。
夢は叶える為にある。そしてその夢を叶えるには自分たちだけじゃない、みんながいる。
1期13話、最終回で彼女たちが在校生に伝えた事を今度は伝えられた。
そして彼女たちはその夢を叶えてみせます。
★理想論に見せかけた"完璧な筋道"と"現実"
ラブライブ!優勝~!
いや、μ'sもそうだったんだけどなんでこんなにこのアニメ、優勝シーンが雑なのか。
まぁなんやかんやで優勝ができました。Aqoursの奇跡は完成したわけです。
田舎の女子高生が集まって始まった奇跡。
夢を叶えたい者、夢を一緒に作りたい者。この景色を守りたい者。
自分を変えたい者。新しい世界を見たい者。みんなを守りたかった者。
そして大きな夢「ラブライブ!に浦の星女学院の名前を残したい」も叶いました。
いろんなことがあったね。いっぱいいっぱい辛い思いをしたよね。
その辛さもこの優勝旗の為だったわけですよ。本当に感無量です。
でも、変わらないことがあります。それは浦の星女学院、閉校。
2期最終回、卒業・閉校式。間違いなく全人類が涙したと思います。泣いてないやつ、泣け!
やっぱり学校は無くなるんですよ。彼女たちは奇跡を起こした。でも、奇跡の先は掴めなかった。
彼女たちはそれぞれ違った道へと進みます。でもね。「浦の星女学院」は確かに存在した。
その証拠をラブライブ!優勝という形で残すことができた。
何年後、何十年後。廃校になった高校。最後にラブライブ!で優勝した。
在校生が、卒業生が、内浦の人が、沼津の人が誇る。そんな学校にできたわけです。
「内浦、浦の星女学院はいいところだよ!」は形は変わってしまっても残すことができた。
そんな事を実感する最終回でした。
★"アイドルだって普通の女子高生だし人間"なんだ。
さてさて。このお話は1人にスポットを当てたセクション。
それは渡辺曜ちゃんのお話。
ずっと小さい頃から高海千歌と2人、いわゆる「ニコイチ」で過ごしてきた彼女たち。
そこに転校生、桜内梨子が登場しました。
スクールアイドルに熱心に誘い、一緒に3人で遊びはじめた彼女。
しばらくすると彼女は「自分って千歌にとって必要なのかな…」という悩みを抱えるようになります。
やばない?
いやマジで人間臭すぎる。めっちゃわかる。今まで自分が必要とされていたし自分も必要としていた。
いわば「両想い」だったのに新しい友だちが出てきてなんとなく「奪われていく」感覚。
いやめっちゃしんどいよな。嫌われたのかな?って不安になるよな。マジでそれ。
自分でモヤモヤし続ける中、形は違うけど千歌も同じような悩みを抱えていました。
そして、解決。「バカようだ…」って泣きながら抱きつく渡辺曜ちゃん。
やっぱりね、アイドルだって人間なんだなって思いました。
そして彼女たちはスクールアイドル。女子高生です。多感な年頃だし些細なことで不安になっちゃう。
だからこそ出てきたこの悩みだと思います。いや~、この話で渡辺曜ちゃんのこと一気に好きになったな。
★"これから"と"このまま"
次はこの子。小原家の娘、学園の理事長に就任した3年生、小原鞠莉ちゃん。
彼女、突拍子もない発言やアホみたいな行動が目に付きます。なんなんだシャイ煮って…。
でもね、この子が一番"女の子"なんですよ。
ダイヤ、果南の2人ともう一度アイドルをするために帰ってきた彼女。
"浦の星女学院は私の一生の思い出"と言い、必死で守ろうとしてきた彼女。
絶対に見せない表情を見せた時の彼女ってどうなってる時だと思いますか?
心細い、不安、葛藤。マイナス思考の時に彼女は表情が変わります。
過去という鳥籠に囚われていた彼女は8人の手によって扉は開かれました。
でも、彼女は扉の先に出ようとはしなかった。イタリアに行く話をするまでは。
彼女の扉は廃校を撤回させ、"かけがえのない世界"を守り続けること。
だから閉校祭の涙、謝罪があったんだと思う。
"このまま"を望んだ鞠莉と"これから"を望んだ果南。鞠莉の夢が一番難しかったと思う。
でもいつか、彼女の夢が叶う日も来るといいな。
★まとめ
はい。過去最長の記事になりました。
いやもっとなんで早く見なかったんだ。なんでなんだ…。
こんなに人間臭いアニメだと思わなかったし、もっともっとその先を見たかった気持ちもあります。
でも、彼女たちの"場所"はもう終わってしまった。だからあんなに綺麗な最終回だったのかなって思います。
あ、これだけ。
ラブライブ!サンシャイン!!の主人公は9人だと思っています。
だから高海千歌のことは"中心"という表現にしました。
来月にならないと劇場版が見れないので非常に悶々としていますが、見れるようになったら迅速に見ます。
そんなわけでありがとうございました。
感想やら文句やら訂正やらあったらリプライなりコメントなりくださいな。
それでは~。